「ヘアアイロンを使うと髪が傷む気がする…でも、使わないとスタイリングが決まらない。」そんな悩みを抱えながら、毎朝アイロンを手に取っている方はとても多いです。神戸三宮で縮毛矯正・髪質改善・髪質再建を専門に施術しているシュヴーブリヤンの佐々木学です。今日はカウンセリングでも必ず確認する「ヘアアイロンの温度」について、なぜ温度が大切なのか、どう選べばいいのかをお伝えします。
ヘアアイロンの温度が「髪の未来」を決める
美容室での施術状態を100%とすると、日常の過ごし方次第で毎日少しずつ髪のコンディションは変化していきます。逆に言えば、正しいホームケアを続けることで、その100%をできるだけ長く維持することができる。
その「日常の過ごし方」の中で、特に影響が大きいもののひとつがヘアアイロンです。シャンプーと同じくらい、毎日触れるものだからこそ、少しの意識の差が数ヶ月後の髪の状態に大きく出てきます。
ヘアアイロンのダメージは「一度で起きる」よりも「毎日の積み重ねで起きる」ことがほとんどです。今日の1回は大したことがなくても、365日続ければ髪の体力は確実に消耗していきます。
髪が熱に弱い理由
髪の主成分はタンパク質(ケラチン)です。タンパク質は熱によって変性する性質があります。卵を加熱すると固まるように、髪も高温にさらされることで内部のタンパク質が変性し、弾力や水分保持力が失われていきます。
さらに、キューティクル(髪の表面を覆うウロコ状の層)は熱と摩擦に弱く、高温のアイロンを繰り返し当てることでめくれ上がり、内部の水分やタンパク質が逃げやすい状態になってしまいます。パサつき・ごわつき・切れ毛といった状態は、こうした積み重ねから起きていることが多いです。
「何度が正解」かは、髪の状態によって変わる
よく「ヘアアイロンは〇〇度が安全です」と一律に書かれているものを見かけますが、正直に言うと、適切な温度は髪の状態・太さ・施術の履歴によって大きく変わります。ここでは目安として知っておいてほしい考え方をお伝えします。
髪の状態別・温度の目安
- 健康な髪・太くてしっかりした髪:160〜180℃程度が一般的な目安。ただし毎日使う場合は低めを意識する
- カラーを繰り返している髪:140〜160℃程度。カラーによってキューティクルが開きやすい状態のため、高温は避ける
- 縮毛矯正・パーマをかけている髪:140〜160℃程度。施術でタンパク結合に変化が生じているため、追加の熱ダメージには特に注意
- ダメージが進んでいる髪・細い髪:120〜140℃程度。まずは低い温度から試す
「高温のほうがスタイリングが決まる」は本当か?
「低い温度だとクセが伸びない」「高温のほうがスタイリングが長持ちする」という声をよく耳にします。確かに高温のほうが短時間でスタイリングが決まる感覚はあります。ただ、それはタンパク質を急激に変性させることでまとまっているケースも多く、繰り返すほど髪の体力が削られていきます。
低い温度でも、ゆっくり丁寧にアイロンを通すことで十分にスタイリングは決まります。毎朝「早く終わらせたい」という気持ちはよくわかりますが、少しだけ温度を下げてゆっくり通す習慣が、半年後の髪の状態を守ることにつながります。
高温で短時間よりも、適温でゆっくり丁寧に。これがヘアアイロンを使うときの基本的な考え方です。
温度と一緒に気をつけてほしい3つのこと
温度の選び方と同じくらい大切な、アイロンの「使い方」についてもお伝えします。
完全に乾かしてから使う
半乾きの状態でアイロンを使うと、髪の内部に残った水分が沸騰し、内側からダメージを引き起こします。面倒でも、ドライヤーでしっかり乾かしてからアイロンを当てることが基本です。
同じ箇所に何度も通さない
「もう少しだけ伸ばしたい」と同じ場所を繰り返し通す行為は、熱のダメージが集中しやすい状態を作ります。一度通してまとまらなければ、温度や通し方を変える前に、まず髪全体の状態を見直すことが先決です。
アイロン前の流さないトリートメントを使う
アウトバストリートメント(流さないタイプ)を使うことで、熱から髪を守るバリアを作ることができます。ただし、つけすぎは逆効果になることもあるため、適量を守って使いましょう。
アイロンとホームケアは「セット」で考える
ヘアアイロンの温度を見直すことはとても大切ですが、それだけで髪が劇的に変わるわけではありません。大切なのは、アイロンケアとホームケア全体をセットで整えること。
シュヴーブリヤンでは、施術後のカウンセリングで必ずホームケアの話をします。美容室での施術はあくまでもスタート。「今日からが始まりです」という気持ちで、お客様と一緒に髪の状態を育てていくことを大切にしています。
ホームケアの基本の順番
- シャンプー:傷ませないこと・少しずつ栄養を補給することが目的。市販品より美容室クオリティのものを選ぶと長期的に髪への負担が変わります
- 集中ケア美容液トリートメント:髪の内部に栄養を蓄えるステップ
- トリートメント:表面の手触りと滑り性を整える
- アウトバストリートメント:乾かす前・アイロン前の保護とキューティクルケア
この順番を毎日続けることで、一度施術で整えた状態をより長く保つことができます。ホームケアを変えずに美容室だけ通い続けても、なかなか理想の状態には近づきにくいのはここに理由があります。
くせ・うねりがある方へ:土台から整えることが先決
「毎朝アイロンをかけないと出かけられない」という方の多くは、くせ・うねりがあることでアイロンへの依存度が高くなっています。トリートメントを繰り返しても根本的に変わらないと感じているなら、まず土台となるくせ・うねりを縮毛矯正で整えることを検討してみてください。
土台が整ってこそ、トリートメントが活き、ホームケアが意味を持ちます。アイロンを当てる時間も、ダメージを与えるリスクも、大幅に減らすことができます。
ヘアアイロンの温度ひとつとっても、髪の状態・施術の履歴・日々のケアとのバランスで正解は変わります。「何度が正解ですか?」という質問への答えは、実際に髪を見てからでないと正確にはお伝えできませんが、今日お伝えした考え方を参考に、まず日々の習慣を少しだけ見直してみてください。
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